② 範囲の経済性

 範囲の経済性とは、企業が複数の事業部門等を持つことにより、経営資源の共有化を図れます。これによりメリットが生じます。それを「範囲の経済性」を云います。「シナジー効果」の一環と考えれば解り易いですね。企業が事業拡大を目ざすのは、範囲の経済性を狙った大きなメリットを、ターゲットにしています。

 さて具体例で考えてみましょう。料理店がラーメンを作るのに、一皿の総コスト(材料費、コックの給料、水道光熱費、ガスレンジ代、お皿代等の製造経費)が、100円のコストが掛かるとしましょう。この場合、新メニューで「フカヒレ・スープ」を加えたとして、ラーメンと共通の隠し味の材料が、使えるかもしれません。またガスレンジ、ひょっとしたらレンゲも共通にできるかもしれません。だから、売値1,000円の「フカヒレ・スープ」の原価は、既存のメニュー「ラーメン」があることにより、例えば80円だけ、安く原価を抑えることが可能です。この80円の差が「範囲の経済性」と云う訳です。

③ ネットワークの経済性

 ネットワークの経済性は、ネットワークの外部性ともいいます。このメリットの理屈は、利用者が増加すればするほど経済的価値が上がることをいいます。インターネット等のネットワークが活発化され、そのメリットが大きくクローズアップされています。

 経済学上では、財の価格は、需要と供給のバランスで決定します。つまり、市場に、「財=商品やサービス」が多ければ多いほど価格が下がります。しかし商品・サービスの中には商品・サービスの量が多多いほど、需要が高まり、その結果、その商品・サービス(例えば、インターネットの販売サイト)の経済的価値が上がるものがあります。このようなネットワークの経済性が働くの特に、通販等のサイトの値打ちに顕著に現れています。その「ネットワークの経済性」を求めて、フェイス・ブックも、ツイッターも、経済活動しています。

① 規模の経済性

  企業の費用(コスト)は、生産量に比例して増加する変動費(製造原価に組込まれる原材料の仕入れ等)と、生産量とは関係なく一定の費用がかかる固定費(営業部の販管費等等)に分けることができます。変動費は、生産量が増加しても、単位あたりの変動費は変わりませんが、固定費は相対的に低下します。この固定費の特徴を捉えて「規模の経済性」といいます。

  例として、レストランを考えてみましょう。メニューの料理を作るには、材料の仕入れ、コックの給料、パントリー内の電気代等がかかってきます(この料理(製品)をつくる費用は製造原価ですが、経営分析に際して変動費とも云います)。この原価になる費用は製造をストップするとかかりませんが、製造量に比例して増加します。

 一方、非製造部門(間接部門)であるホールで料理を出す従業員や、レストランの広告宣伝費等々がかかります(これは販売費一般管理費と云う損益計算書上の費用ですが、経営分析の際「固定費」と呼ばれることがあります)。お客様向けの料理の売れ行きが落ちても、間接部門の従業員を解雇することは現実的ではありません。広告も常識的にはストップすることは有りません。しかし、この費用は一定ですから、メニュー料理の販売数が増えると、料理一皿当り(ー単位・一個等と云っても良いです)当りの所謂「固定費」は、相対的に低下します。

 このようなことは当たり前のことは、常識ですね。しかしもう一歩、前に出て考えると、単位あたりの費用(例えば一皿の料理をつくるのに掛かる材料費・料理コックの賃金・パントリーの水道光熱費等)は、表面上の理屈(生産量に応じてのみ変動するのが変動費でしょ!と云う理屈)で行けば、一定であるはずの変動費にも、規模の経済が働くことに気づかなければなりません。この要因は、大量仕入れ等による仕入れ単価の低下等といった要因によってもたらされます。これが重要なんです。
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     ① 規模の経済性
     ② 範囲の経済性
     ③ 経験曲線のメリット
     ④ ネットワークの経済性
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